日本文化学科学科ニュース

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貴重な体験を自らの経験に!-オープンセミナー報告「踊ってみよう田楽!ふれてみよう神楽!」-

2018.08.10

今まで知識としてしか知ることができなかった神楽と田楽にふれることができた。神楽では、実際に使われる道具を作り、田楽を着物を着て踊った。今回のことを通して学んだのは、学習とは、知識として頭に詰め込むだけのものではなく、実際にふれて感じることで吸収するものだということだ。

今回のことを、プリントや映像で見ても、今ほど理解することはなかっただろうと感じている。私はようやく先生方が初日に言われていた「体験を経験に」を理解することができた。

受講生の感想です。アクティブに学び、同時にしっかり考え、発表する中で、「体験」を「経験」にしつつある姿が見えてきます。

最初は、周りに友達がいなくて、不安でいっぱいでした。でも、班で話すことで、自然と友達が増えて楽しい三日間でした。自分が住んでいる広島でも知らないことばかりで、あらためて知りたいと思いました。 浴衣を着て実際に稲を植える所作をしたのは、腰をかがめてたいへんだったけど、本当に面白かったです。また子ども神楽団の演奏を近くで聞くことができたのは、とてもいい体験でした。その場で気になったことも、直接質問できてよかったです。

共に学び合う中で、仲間ができます。目的を持って学ぶなかでできた仲間は、単なる「仲良し」ではなく、お互いに切磋琢磨し成長していける学友です。また、初日も二日めも、みなさんから活発に質問や意見が出され、白熱した、それでいて心地よい学びの空間ができました。このような空間の中で真剣に考え、それをぶつけ合う中で、一過性の「体験」であったものが、自身の血となり肉となります。まさに「経験」が形成されていくのだと思います。

ここに来て、神楽も田楽も貴重な文化の一つとあらためて感じました。そして安芸太田町の方々のお話を聞いて、伝統を伝えていく中でのたくさんの苦労を知ることができました。

伝統を継承する辛さを知る度に、「じゃあ私の地元はどうなっているんだろう」と地元に対する思いも湧き上がってきました。地元にもどったとき、できる限りたくさんの人に伝統のことを聞きたいし、自分でももっとたくさんのことを勉強したいと思いました。

安芸太田町の方々のご指導を受け、お話を聞く中で、少子高齢化が進む日本の現状が見えてきます。実際に体験し、直接、お話を聞いてこそわかつたことがたくさんありました。貴重な時間を割いて、セミナーを共に創ってくださった安芸太田町のみなさんに心より感謝しつつ、若い世代に何ができるか、大学に何ができるか、受講生のみなさんと共に考え行動できればと思います。

自分でも驚くぐらい神楽や田楽に興味・関心が湧いてきました。神楽は神楽でも堀神楽団ならではの舞い方や小道具の作り方があったり、花田植の衣装がその土地によって異なっていたりということにも驚きました。自分の地元ならではの伝統を継承し、つないでいこうと一生懸命取り組まれている姿に感動し、また、地元への強い愛と誇りを持っておられることをひしひしと感じました。

国際化が進んで外の文化がたくさん入ってくる今こそ、日本ならではの文化を知って、体験して、伝統や素晴らしさを国内にはもちろん世界にも発信していきたいと思いました。

まさに、このように若いみなさんが思い行動してくださることが、日本文化学科スタッフにとって何よりうれしく、またそんな若い人たちをたくさん社会に送り出したいというのが私たちの思いであり、強い願いです。広い視野を持ちつつ、今、ここにあるものを大切にして、私たちの大切な文化を守り、あるいは更新(バージョンアップ)し、広く内外に伝えてほしいと願っています。