カープとマツコロイドとソーセキと -オンデマンド授業「日本文学講読Ⅱ」-
2020.07.13 授業紹介
新型コロナウィルス感染防止のため、日本文化学科も、前期は多くの授業が、Google Classroomを使った遠隔授業です。対面授業と違い、受講生のみなさんの反応がとらえにくいため、授業にうまく入ってもらうための手立てが必要になります。導入の工夫や写真の提示など、これまでの対面授業以上に大切と感じています。
「日本文学講読Ⅱ」は、夏目漱石の文学テクストを読み込み、その人生を辿りながら、文学を読むためのスキルを身につけることを目的としています。最初の授業では、「漱石と縁の深い二人は?」と問われたら誰を思い浮かべますかという趣旨の投げかけをしました。みなさんは、どんな人物を思い浮かべられるでしょうか。対面授業だと、受講生からよく挙げられるのは、正岡子規を筆頭に、森鷗外、高浜虚子、芥川龍之介といった人物です。
この授業での答えは、カープの鈴木誠也選手とマツコさんです。
鈴木誠也選手は漱石がかつて学んだ二松学舎の出身、つまり漱石と鈴木選手は、先輩・後輩の関係になるわけです。マツコさんは、アンドロイドになっている点が漱石との共通点です。
ちなみに漱石のアンドロイドの声は孫で漫画家の夏目房之介さんですが、実は安芸太田町の吉水園(下の写真)を持たれている加計家の当主だった加計正文さんが、漱石の教え子で、その声を蓄音機に吹き込んだことが知られてます。今は、聞けなくなってしまっていますが、いつの日か技術の進歩で漱石の声が再生できるかもしれません。
遠いように思われる夏目漱石と広島ですが、意外なつながりがあります。
受講生の声の一端をご紹介します。
○思ったよりも夏目漱石が近く感じられ、うれしかったです。もっと調べればさらに身近に感じられると思うので、これからも調べたいと思います。
○夏目漱石は、遠い雲の上の存在だと思っていたけれど、親近感がわいてきて面白かったです。
○漱石アンドロイドもあると知って見てみたいような、でも少し自分のイメージと違うとショックだなと思った。
○意外な関わりなど驚くことが多く、非常に興味深い内容でした。夏目漱石の生い立ちなど知らないことが多く驚きました。
これからも驚きと発見がある遠隔授業ができればと考えています。