フェリス女学院大学との交流会:ともに平和を学ぶ
2024.02.16 英語系
At the beginning of the year, we introduced Atsushi Awazuhara, a new member of our department. In this article, he explains about one of the wonderful opportunities for exchanges of ideas held on HJU campus - a "peace event" held with Ferris University.
(今回の学科ニュースでは、2023年4月に国際英語学科に加わったもう一人の教員、粟津原淳先生に、平和に関する交流活動の様子を紹介していただきます。)
フェリス女学院大学・国際センターと広島女学院大学・宗教センターとの平和学習が2月1日に行われ、国際英語学科の一年生6名が参加しました。
このプログラムはフェリス女学院大学が「ジャパンスタディツアー」として広島を訪問するのにあわせて、本学の学生と交流をはかるものです。
フェリス女学院大学側の参加者は留学生9人(中国、台湾、韓国、フィリピン、スロバキア)、日本人学生7人、教職員4名でした。碑めぐり学習のコーディネーターである高橋信雄先生(原水爆禁止広島県協議会・代表理事)と小西ヒサ子先生(被爆体験伝承者)および被爆証言者の三戸栄子氏からお話を伺い、国際英語学科の学生たちにとっても貴重な機会となりました。
交流会の一部では、三戸氏から被爆後の様子を描いた紙芝居とともにお話を伺いました。4歳のときに爆心地から1.2キロの自宅で被爆し、母親と姉たちとともに市内および9キロ離れた五日市等を大変な思いをしながら避難したこと、「兵隊として徴収されていた父が帰らなかったら、海へ飛び込もう」と母親が語っていたこと、終戦後に復員した父親が家族のためにバラック小屋を建てた際には、あたり一面に遺骨が広がる中で建築材を集めたことなど、被爆後の悲惨な状況を語ってくださいました。
原爆は一度落とされたらそれで終わりではないこと、被爆の後遺症は本人ばかりでなく、その子どもや孫など世代を超えて身体的・心理的な苦しみを生むこと、被爆したという過去がその後の人生設計に多大な影響を及ぼすことなどを、学生たちは真剣な面持ちで聞き入っていました。
交流会の後半では学生たちのディスカッションが行われ、講師の先生方も加わっていただいて活発な意見交換の場となりました。
一つ目のディスカッション「自分の受けてきた戦争・平和教育とはどういうものか」では、広島と他都道府県出身者および留学生たち各々が受けてきた教育には、同じテーマであっても伝える内容や情報量に違いがあること、戦争をどの立場から考えていくかといった意見が語られていました。
例えば、N.T.さんはこんな思いを持ったようです。
「広島で育つ者の義務として、私たちは当たり前のように原爆について学んできましたが、県外の人は受験勉強のために、数ある歴史の一つとして学んでいたことを知りました。また、中国や韓国の方々は原爆についてだけでなく、日本から受けた被害について多く学んできたと話していました。このことから、被害だけを知るのではなく、加害者側でもあるという過ちも受け止めて、今後戦争や平和について考えていくべきだと強く思いました。この経験を通して原爆についての考えが変わりました。」
二つ目のディスカッション「未来のためにできること」では、現在の大学生たちは被爆した方々から直接話を聞くことのできる最後の世代かもしれないという危機感をもって、核兵器の恐ろしさを次の世代へ伝えていくことが大切ではないかといった意見や、戦争は国同士が行うものだが、一個人が他国の人々と友人になることで、相手の国の人々が戦争によって傷つくことを現実的に想像できるのではないか、そうした個人的な結びつきが戦争に反対していくことへの動機となるのではないかといった意見が交わされていました。
参加した学生たちにとって今回の交流会は、原爆についての認識は育った環境や各国の教育方針によって異なっているという気づきの機会となり、あらためて広島で生活していることについて思うことの多い経験となったようです。
Awazuhara sensei has had a busy first year on campus and has already become a much-valued member of the Department of International English. We are sure that next year there will again be many opportunities for students to learn together with him.
(学外のつながりを多くお持ちの粟津原先生。これからも学内外でさまざまな学びの機会を持てることが楽しみです。)