生活デザイン学科学科ニュース

  1. HOME
  2. 学部学科・大学院
  3. 生活デザイン学科 ニュース

【学生報告】2022年度秋季講演会を開催しました

2022.12.20 学生生活 被服・ファッション領域

生活デザイン学会学会誌編集部のI.Iさんから、先月行われた生活デザイン学会秋季講演会についてレポートが届きました!

 


11月23日(水)に2022年度秋季講演会が行われました。今回特別講師に、広島女学院大学卒業生であり現在はルイ・ヴィトン ジャパンに勤めておられる打越直美さんにお越しいただきました。


(講演会の様子)

講演テーマは『DARE~Sky is the Limit~』でした。「DARE」には「勇気を持ってチャレンジする・前に進む」という意味が込められているそうです。自分に限界を決めず、踏み出す勇気を持って前に進んで欲しいという打越さんの思いを込めてこのテーマにされたそうです。打越さんは今まで「DARE」をしながら歩んできたと振り返っておられました。

打越さんは学生時代に色々なことに打ち込み、大学卒業後には留学をしたいという思いからイギリスの大学で、ビジネス&イングリッシュコースを専攻されました。その後、輸入切花を扱う会社に就職し、自分の強みを活かせる会社ではやりがいを感じつつ仕事を楽しむ事ができたそうです。
しかし、ご家庭の事情により退職、その後、ご友人からの紹介で靴の有名ブランドに勤めることになりました。そこでは接客のスキルや自分の所作によって売る商品の価値も決まるということを学ばれたそうです。数年が経った後に今勤めておられるルイ・ヴィトン ジャパンに入社のチャンスがあり、これは新たなチャンスだと思い勇気を出して誘いを受けられたそうです。勤め始めた頃は、店舗にて接客のお仕事をされ、店長を7年間勤められました。その後、店舗社員教育職として活躍され現在に至るとのことでした。

店舗社員教育職の仕事を務められている打越さんですが、元々教育する仕事に対して興味もなく、自分ができるなどとは考えていなかったそうです。しかし、教育には決まったルールや共通認識を教える「Teaching」と人が目標に達するために支えてあげる「Coaching」の2種類があることを知り、自分が今まで歩んで来た中で学んだ事、体験したことを次世代に伝えることへの希望を見出されました。

また、広島女学院大学で学ばれたキリスト教の教えが今の打越さんの考えにも残っておられました。マタイによる福音書22章39節にある『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』という言葉が、今まで歩んで来た中で出会った人との繋がりを大切にしてこれた理由の一つだったそうです。そして今は、隣人だけでなく自分も愛したいし、他の人も自分自身を愛して欲しいと語っておられました。

常に自分への希望を捨てず、前に進み続けてチャンスを見出す打越さんの考え方に私自身も勇気をもらいました。今まだ見えぬ未来に怯えて前に踏み出せない自分がいる時、その場でずっと考えこむのではなく、見えた少しのチャンスでも手にして進んでいきたい。そして、今まで出会った人たち、これから出会う人たちとの繋がりを大切にして歩んでいきたいと強く思いました。

講演の後に打越さんに特別に学会誌編集部員によるインタビューにも答えていただきました!


(インタビューの様子)

Q1 就職される際に、苦労されたことはありましたか?

A 最初に就職活動をした頃は、インターネットが普及していなかったので就職専門雑誌を参考にしたり、自分の経験が活かせる会社を見つけては何通もお手紙を書いたりした事が大変だったと思います。

Q2 今まで仕事をされてきて、どんな時にやりがいを感じましたか?

A 私はとにかく仕事が大好きでした。人から必要とされる事がなによりのやりがいでした。私がいることで誰かが喜んでくださる事が自分のモチベーションになっていました。

Q3 多くの人との出会いがあるなかで、人間関係をどのように上手く保てるのでしょうか?

A 私は第三者の立場から他の人たちの関係性を観察して、こうすればきっと上手くいくのではないかといつも考えていました。組織の中でいろんな人と関わる中で、互いに共感していく力を身につける事が必要だと思います。

Q4 大学では何を学んでおられましたか?(卒業論文のテーマなど)

A 広島女学院大学では日本文学科を専攻し、卒業論文には英訳の源氏物語を書きました。

Q5 社会人になり役に立ったと思う、学生時代に学んだことや体験は何でしたか?

A 広島女学院高校では、英語関係の授業を多く選択していました。その頃に身につけた英語は今でも役に立っています。また、英語を学ぶ中でタイピングをする機会があったことで、後に普及したコンピューターを抵抗なく受け入れる事ができました。なので、今学んでいる事と将来めざしている仕事が違うとしても、経験したことはいつか役に立つ時が来ると思っています。

Q6 学生時代にもう一度戻れるなら、どんなことをしたいですか?

A 20代は自分がやりたいという事を全てさせてもらい、両親にとても感謝しています。自分ができることを全てチャレンジできたし、もう一度勉強をしたいと思わないので学生時代には戻りたくないですね(笑)

Q7 最後に、今だからこそ大学生に伝えたい事はありますか?

A やりたいと思っていることを必ずしもできないと思うんです。例えば、希望の会社に就職できなかったり、予定していなかった方向に進まなければいけなかったり。しかし、私の中で英語が軸になったように、何がやりたいかではなく自分がどのような人になりたいかという考えがあると常に揺るがない自分の軸をつくることができると思います。あまり自分を狭い環境に押し込めないでほしいです。私がいる会社でもそうなんですが、就職したい人たちは自分が学んだことを活かせる仕事に就きたいと考えていても会社側ではいきなり新卒の人を希望する部署に配属することはあまりないです。だから、新卒からの最初の1、2年間では自分が希望する部署に行くためにはどういう環境でどういう経験をするかが近道となります。次のステップを見据えて生活をする事で、自分の夢を実現していく決め手になると思います。

打越さん、ありがとうございました!


(講演会での質疑応答の様子)

 


I.Iさん、詳細な報告をありがとうございました。また、インタビューも講演会の内容がさらに掘り下げられていて、ますます今後の皆さんの活動や考え方の支えになりそうですね!

生活デザイン学会は学生主体の課外活動です。この日は3年生ゼミによるチャレンジ活動報告会もありました。様々な活動に取り組みながら、大学生活を充実させていきましょう。