グローカルフィールドワークー日光と徳川ゆかりの文化遺産ー①
2019.10.31 地域デザイン領域
2019年9月2日~13日の12日間の日程で生活デザイン学科の国内フィールドワークを実施しました。
旅のテーマは「日光と徳川ゆかりの文化遺産」。
「東照宮」をキーワードに名古屋・久能山・上野の東照宮と、日光の世界遺産2社1寺ほか文化遺産を訪ね、歴史・美術・建築について実地に学ぶとともに、日光街道などを実際に歩き、前近代の旅を体感しました。
その様子を7回にわけて、紹介します。
1・2日目 名古屋・静岡
●9月2日(月)
フィールドワーク初日。
名古屋では名古屋城本丸御殿と名古屋東照宮へ、静岡到着後は静岡浅間神社へ行きました。
名古屋城は徳川家康によって建てられ、家康の9男で初代尾張藩主となった義直の住居として作られた本丸御殿は、その後、3代将軍家光が京都に行くときに宿泊する上洛殿として増改築されたものです。
1945年の空襲で焼失し、戦後の1959年にコンクリート造で再建された天守閣は、現在閉鎖中で入ることが出来ませんでしたが、本丸御殿は最近、昔と同じ材料や工法を使って復元されました。建物の中を見学しましたが、天井や襖など、約10年という長い時間と手間をかけて細かく丁寧に復元されていました。
名古屋にも家康を祀った東照宮がありますが、ここも本殿は焼けて、現在の社殿は初代藩主の正室の霊廟を移築したものだそうで、お参りだけしました。
新幹線で静岡に移動後、静岡浅間神社に行きました。
浅間神社は富士山信仰の古い神社で、境内にたくさんの社殿がありました。現在の社殿は江戸時代後期に再建されたものですが、静岡は徳川家ゆかりの地で、家康が晩年を過した土地でもあるので、幕府直轄の工事で建てられたそうです。なかでも浅間神社と神部神社の前に建つ大拝殿は2階建ての竜宮城のような建物で立派でした。
富士山が見えるもしれない、と麓山神社の坂に登りましたが、木が邪魔で富士山は見えませんでした。あとで聞いたら、参拝客は入れない浅間神社本殿の石段からだけ見えるそうです。
浅間神社を出て、参道を歩いていると、安本酒醤油店というお店があり、古い道具などが飾られているので入ったところ、お店の奥さんがいろいろと丁寧に説明してくださいました。安本酒醤油は、昔は醸造もしていたそうですが、いまは小売のみしているとのことでした。明治時代の道具や、古い勉強机、そろばん、カメラなどがありました。江戸時代の地図や立体地図も見せてもらって静岡という地域について説明してもらい、わかりやすかったです。
(4年 伊勢田 麻有)
●9月3日(火)
2日目は駿府城と日本平、久能山東照宮へ行きました。
駿府城では、坤櫓(ひつじさるやぐら)と巽櫓(たつみやぐら)という2つの櫓と、天守閣の発掘調査の現場を見学しました。
櫓の職員の方に、映像や資料などで丁寧に説明をしていただき、駿府城の歴史や、やぐらの復元、発掘調査でわかっていることなどをより深く学ぶことができました。天守閣の発掘現場では、すぐ近くまで入って見学することができ、解説員の方から、豊臣秀吉の時代の天守閣の痕跡と、徳川の時代の天守閣について説明していただきました。
日本平では夢テラスという富士山を見ることができる展望台へ行きました。残念ながら霧(雲?)が出て、見えるはずの富士山は残念ながら見ることはできませんでしたが、雲に覆われていた下界の町が雲間から徐々に見えてくる幻想的な様子もそれはそれで珍しい景色でした。
その後ロープウェイに乗って久能山東照宮へ向かいました。
徳川家康の死後、最初に埋葬された場所で、建物の装飾がとてもきらびやかで、昨日訪れた名古屋東照宮とは印象がかなり違いました。宝物館もあり、資料を見て回りましたが、私たちが広島に戻った直後に福山で久能山東照宮の展覧会がありました。
久能山から徒歩で降りるときの海はとても綺麗で、富士山が見れなかった分、感動が大きく、気持ちよく下山することができました。
静岡県と徳川家康のつながりが深いことが感じられた2日目となりました。
(2年 神田 真歩)