5月16日(火)「キリスト教の時間」において、「被爆ヴァイオリンコンサート」が行われました。
はじめに、本学院歴史資料館の元職員 西原眞理子さんより、被爆ヴァイオリンの持ち主である広島女学校時代の音楽教師「パルチコフ先生」がヴァイオリンとともに辿った数奇な歩みを紹介していただきました。
被爆ヴァイオリンは、1986年に行われた本学院創立100周年記念事業の際にパルチコフ先生の娘カレリアさんより寄贈され、歴史資料館で保管しています。
続いて、被爆ヴァイオリンのコンサートが始まりました。
演奏者はヴァイオリニストの盛田恵さんとピアニストの山本京子さん。
盛田さんは、パルチコフ先生の娘カレリアさんが被爆ヴァイオリンを寄贈した際、受け取られた方の娘さんとのこと。今回のコンサートにより、引き寄せられた運命やご縁に感動を覚えました。
演奏は、J.Sバッハを含む計5曲。カッチーニの『アベマリア』は、悲しみや辛さなどの切ない感情がのせられ奏でられました。
被爆ヴァイオリンコンサートの前日に、同じこの講堂で開かれた講演会でサーロー節子さんの平和へのメッセージを直接受け取った本学学生。パルチコフ先生が実際に使っていた被爆ヴァイオリンによる演奏は、ウクライナ情勢による悲惨な現状や、日常の辛く悲しい出来事があっても、強く生き抜いていかなければならない、そんなメッセージが込められているようでした。
奏者の盛田さんは、「広島女学院は素晴らしい被爆ヴァイオリンを所蔵しています。学生のみなさんにはこの被爆ヴァイオリンの歴史を知ってもらい、世界でひとつしかない大切なものだと誇りを持って、大学生活を過ごして欲しいと思います。」と述べられました。