広島女学院大学学長 湊 晶子
新入生の皆さまご入学、在学生の皆さまご進級、おめでとうございます。
新型コロナウイルスとの闘いの中にありますが、学生生活が「女性の一生」の土台となりますように。
今年は卒業式も入学式も縮小した形でしか実現できなかったことは本当に残念に思いますが、大学を挙げて最善の方法で4年生を送り、また皆様をお迎え出来ましたことは感謝です。ご挨拶は遅れても、皆様のご入学とご進級を心から喜んでおります気持ちには変わりありません。私は東京女子大学の学長を務めた後に初めて広島に参りまして7年目を迎え、広島が大好きになりました。新型コロナウイルス問題が一日も早く終息して、キャンパス・ライフを共に過ごせる日が来ますようにお祈りしています。
求め続けよう人生の目標
今年の入学式では、「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば見つかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる。」(マタイによる福音書 7章7節)から祝辞を述べさせていただくべく準備しておりました。「求めなさい。探しなさい。門をたたきなさい。」はすべて原語のギリシャ語では現在形で書かれています。それは「求め続けなさい。探し続けなさい。門をたたき続けなさい。」という意味が強調されているからです。本学が第一希望だった方も、そうでなかった方もありましょう。階段は一段ずつ上ってこそ頂上まで登れるのです。レポートや課題に積極的に挑戦し、階段を一段ずつ着実に上りましょう。精一杯挑戦して登り切った結果には必ず達成感が伴います。この達成感こそこれからの皆様の「人生の宝」となりましょう。
女子大学で学んでこそ
女性が主役である女子大学においては、ありのままの自分と向き合い、自立した生き方、問題解決能力、自信とリーダーシップが必ず育ちます。私も女子大学で学んだからこそ今があると確信しています。本学は女性の一生涯を視野に入れた大学ですので、自信をもって学びを全うしてほしいと願っています。
「人間教育」ではなく「人格教育」を
私たち日本人は集団的意識構造の中にあり、「もしもあなたがそうおっしゃるなら、私は~。」と一人称が後から出てくるのです。国際的に活躍するためには、どのような状況に置かれても一人称で語れる人物にならなければなりません。「ぶれない個・私・人格」の形成を目指し、堂々と一人称で語れる人物を育てるためには「キリスト教を基盤とした人格教育(リベラルアーツ教育)」が必要です。卒業するまでに培われる本学の教育は、必ずやこれからの人生の土台となりましょう。この苦境を希望を持って乗り切りましょう!