今年も5月3~5日、広島市の広島平和大通りで開催される「ひろしまフラワーフェスティバル」会場に「折りづるひろば」ブースを開くことができました。
今年は「折りづる神輿」が無くなりましたが、広場では本学学生が組織する実行委員会とボランティアの学生による呼びかけに、多くの大人から子どもまで、そして外国人の方々にも折りづる作成にご協力いただきました。
10連休という例年にない長い休みの中、開催中3日間は晴天に恵まれ、本当に大勢の皆さんに鶴を折っていただきました。小さなお子さんが一生懸命折る姿は大変かわいらしいものです。外国人のグループの方もたくさんのコミュニケーションを学生ととりながら一生懸命折ってくださいました。また本学の卒業生の方、昨年の実行委員長、教職員も応援に訪れました。
昨年10周年の節目を迎えた「折りづるひろば」、今年も広島YMCA、I PRAYの皆さんの協力を得て無事開催することができましたが、以下のような経緯があります。
被爆による白血病で1955年に12歳の若さでこの世を去った佐々木禎子さんは、回復を願いながら病床で折り鶴を折り続けました。追悼式を機に、子どもたちを二度と同じ目にあわせてはならないという誓いをこめて彼女をモデルとした像の建立をと、子どもたちを中心に運動が起こります。その中心にいたのが、当時広島女学院中学高校の用務員で広島YMCAの青年会員でもあった河本一郎氏でした。運動は全国的な広がりを見せ、3年後に平和公園の一角に「原爆の子の像」として完成し除幕式が行われました。1958年5月5日のことです。
本学が主催する記念式典では、折りづるひろばで折っていただいた千羽鶴約1万羽が献納され、主催者を代表して村上和保副学長が挨拶し、「折りづるひろば」実行委員長の縣詰姫香さんもご協力への感謝の言葉を述べました。I PRAYの皆さんによる平和創作劇も例年のごとくまた大変素晴らしいものでした。
戦争の悲劇を知る方、原爆の恐ろしさを体験した方も年々少なくなって来ています。鶴を折るという小さな行為ですが新しい世代へ戦争の恐ろしさ、平和の尊さを伝えていく一つのきっかけとしてこの「折りづるひろば」の意義を認識していただければ幸いです。