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大学からのお知らせ

2017年12月06日お知らせ

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卒業生、サーロー節子さんによる国連「核兵器禁止条約」採択後の演説がICANよりアニメーションで配信ーIf You Love This Planetー

本年ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン ICANが、今年7月7日、国連での核兵器禁止条約採択後に行われた、サーロー節子さんの演説をアニメーションにして、動画配信を行っています。

If You Love This Planet
The video was produced by Kathleen Sullivan and animated by Amber Cooper-Davies, with music by Sam Sadigursky.

国連でのスピーチの全文は次のとおりです。

Delegates, NGO colleagues, dear friends, I never thought I would see this moment. I would like to share my gratitude for the exceptional work and dedication of everyone who has put their brains and their hearts into these treaty negotiations.
各国代表、NGOの仲間たち、親愛なる友人の皆さん、
私は、この瞬間を見届けることができるとは、思ってもみませんでした。
私は、この条約交渉に知恵と真心のかぎりを尽くしてくださった全ての方の
類まれなるお働きと献身に、感謝を捧げたいと思います。

I am grateful to you Madame President for your leadership and the UN Secretariat, the delegations and NGOs, devoted to moving us ever closer to the goal of the total elimination of nuclear weapons.
ホワイト議長のリーダーシップ、
国連事務局、各国代表、NGOの皆さんの献身が、
核兵器廃絶という目標に、私たちをいよいよ近づけて下さったことに感謝します。

As we gather in our celebration of this extraordinary achievement, let us pause for a moment to feel the witness of those who perished in Hiroshima and Nagasaki. Both at that time in August of 1945, and over these 72 years, 100,000 of people, each person who died had a name. Each person was loved by someone.
私たちはこの驚くべき成果を祝うために集っているわけですが、
ひととき立ち止まって、ヒロシマとナガサキで命を奪われた方々の声に、思いをはせてみましょう。
1945年8月のあの時と、
その後72年の間に亡くなった
数十万人の方たちです。
亡くなった方々はそれぞれ、名前を持ったひと、でした。
誰かに愛されたひとたち、だったのです。

I've been waiting for this day for 7 decades. And I am overjoyed that it has finally arrived. This is a beginning of the end of nuclear weapons. I remember back in 2014 when many of us met in Nayarit, Mexico. The conference chair said, "this is a point of no return".
私は70年あまりにわたって、この日を待ち続けてきました。
そして、大変うれしいことに、その日がとうとう訪れたのです。
今日こそ、核兵器の終わりの始まりです。
私たちの多くがそこにいた、2014年のメキシコ・ナヤリットでのことを思い起こします。
議長はおっしゃいました。
「もはや後戻りできないところに至りました」と。


We will not return to the failed nuclear deterrence policies.
私たちは、失敗した核抑止政策に後戻りすることはしません。

We will not return to funding nuclear violence instead of human needs.
私たちは、ひとに必要なものを削って核暴力に投資するようなことへ後戻りいたしません。

We will not return to irreversibly contaminating our environment.
私たちは、取り返しのつかない環境汚染へと後戻りいたしません。

We will not continue to risk the life of future generations.
私たちはこれ以上、未来の世代のいのちをおびやかすようなことはいたしません。

To the leaders of the countries across the world, I beseech you, if you love this planet, you will sign this treaty. Nuclear weapons have always been immoral. Now they are also illegal. Together let us go forth and change the world.
世界中の指導者の皆さん、
切にお願いします。
もしあなたがこの地球を愛しているなら、
どうかこの条約に署名してください。
核兵器はこれまでもずっと、道徳に反するものでした。
そして今や、法に反するものとなりました。
一緒に前に向かって進み、
世界を変えていきましょう。

日本語翻訳 湊 晶子 広島女学院 院長・学長

サーロー節子さんは、広島女学院高等女学校2年生の時に爆心地より1.8km離れた学徒動員先で被爆しました。
1954年に広島女学院大学英文学部英文学科卒業後、米国に留学。その後、結婚を機にカナダ・トロントに移り住み、原爆にまつわるご自身の経験を英語で伝える活動を長年続けてこられました。
ICANが2007年に発足した時から行動を共にし、ICANの「顔」として、国際会議や国連での核兵器禁止条約交渉会議で被爆者として体験を語ってこられました。今年7月7日の国連本部での核兵器禁止条約採択に貢献されました。

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