ボランティアセンター公認プロジェクトの一つである環境保全プロジェクトが、6月11日(日)江田島市江田島町切串地区で挙行されました。参加した小学生は58名。プロジェクトメンバーとボランティアをあわせて26名の学生たちが彼らを引率しともに学びました。
今年のテーマは「みんなともだち~生き物の住む美しい自然を守ろう!~」。7名のプロジェクトメンバーが2月ごろから真剣な話し合いと周到な準備を続けてきました。
今年で6回目となる当プロジェクト、これまでずっと大学に隣接する牛田山の山林を舞台に実施してきましたが、今回は牛田山から離れ島嶼(とうしょ)部の里山の保全について学ぶため、間伐作業、生き物が住みやすい川の環境づくりの方法を学び、そして海辺の生き物の観察もしようというちょっとよくばりな企画になりました。
朝、広島市内から参加する小学生58名が広島宇品港そばの広島みなと公園広場に集合、フェリーに乗って一路江田島へ。切串港に到着後、切串小学校に移動し江田島市内から参加した小学生と合同、あいさつのあと校庭で開会式と注意事項が伝えられました。そして6つの班に分かれ、いよいよ切串小学校の学校林を目指して林道を歩きます。
30分ほど林道を歩き学校林に着いたら、間伐と小川の下草刈りの2グループにわかれてグループごとに作業をします。間伐作業は、まず3名の森林インストラクター方々があらかじめ間伐対象と定めていたヒノキをチェーンソーで切り倒します。子どもたちはその木を広場まで運び、3人一組になってノコギリで枝を切り落していきます。中には過去何度もこのプグラムに参加している参加者もいて、手慣れた手つきで切っていました。
小川では生き物が住みやすい環境を作るためにカマやノコギリ、剪定ばさみを使いながら、下草やカズラを刈り取りました。子どもたちは初めて扱うカマに戸惑いつつも次第に上手に刈れるようになっていきます。昼食を挟んで作業を交代しお昼からも作業をしました。
山と小川の作業終了後、切串小学校近くの海岸を目指して林道を降りて行きます。
往復の林道歩きと山林での作業に疲れているはずの子どもたちのはずが、ちょうど引き潮になった海辺に降りたら大はしゃぎ。ここで集合写真を撮ろうとするのですが、子どもたちはヤドカリやカニ、小魚の観察に夢中で、なかなか集まってくれず引率の学生たちが苦労する一幕もありました。
考えてみれば、それは無理もない話かもしれません。広島湾の海岸線のうち自然海岸は約40%とされていますが、それはほぼすべてが島嶼部のものです。年配の方なら夏休みに広島市近郊の海水浴場に行ったり、干潟で潮干狩りをしたりという思い出があるはずですが、現在は南区の元宇品のわずかな海岸などをのぞくと、今や人口の海岸は私たちの日常から遠い存在になっているのです。そんな現代の環境に育った子どもたちにとって、何の変哲もないように見える自然の海岸はとてつもなく新鮮だったに違いありません。
さて、海辺での自然観察が終わったら最後のまとめの時間です。切串小学校体育館でグループごとに1日の活動を振り返り、模造紙に絵やまとめを書き込み発表し、活動を終えました。
このたびは牛田山を遠く離れた場所だったにもかかわらず、これまで参加してくれた子どもたちやその妹・弟も多く参加いただいていたようで、プロジェクトメンバーも感激していました。また江田島市内からも10名近い参加があり、広島市内からの参加者とすっかり仲良くなっていました。
里山を保全する基本的な考え方とその方法を学び、海辺の生き物と接することで環境保全の大切さを子どもたちが少しでも理解することができれば、とプロジェクトメンバーは望んでいます。
最後に、学校林、体育館の使用をご快諾いただいた切串小学校、当日林道入り口や途中に自動車のドライバーに通行の注意を促す看板の設置等をしていただくなどイベントの成功を支えてくださった江田島市交流促進課の皆さん、事前の準備から当日の間伐作業までプログラムのケアをしてくださった広島県森林組合連合会(県森連)の皆さん、毎年ご支援いただいている広島テレビ・24時間テレビチャリティ委員会、そして子どもたちを心よく送り出してくださったご家族の皆さんに厚くお礼申しあげます。本当にありがとうございました。