在学生による授業紹介のメッセージが届きました。
本学科ではSDGs(持続可能な開発目標)に関わる科目がいくつかあります。自らの意識・行動を変容させるために、様々な体験を学生たちがしています。今回は2回にわたって「地域環境実習」の授業を受講生が紹介してくれました。
「地域環境実習」では、広島県内の地域に目を向けて、実際にその場所を訪問し、地域のものや場所、人との触れ合いを通して、地域の特色や課題を学んでいます。
2020年度は、竹原市忠海町の「大久野島」を訪れました。大久野島は、「うさぎの島」として、広島県内だけでなく日本全国でも有名な島です。
今回のフィールドワークのテーマは「地域の観光を持続可能にするには何が必要か」を考えることです。「SDGs」の広がりで聞きなれた言葉になった「持続可能な」という視点で、観光や地域について考えます。
グループに分かれて、竹原市や大久野島について事前に情報を集め、調査の目標を設定してフィールドワークに出かけました。
天気は快晴、格好のフィールド調査日和の中、それぞれの視点で設定した目標をもとに、半日かけて大久野島の調査を行いました。
大久野島は、近年「うさぎの島」として有名になっていますが、第二次大戦中、毒ガスを製造した「地図から消えた島」としても有名です。島々に残る戦争遺構の状況についても調べました。
歴史的な遺構であるため、放置をすれば年々劣化が進んできます。しかし、手を加えすぎると過去を伝える遺構として価値は失われます。また、こうした価値を人々に伝える人も現在少なくなりつつあります。
現在、多くの観光客はうさぎと触れ合うためにこの島を訪れています。今回の調査でもたくさんのうさぎに出会いました。しかし、増えすぎるうさぎや放置された餌、観光客の使用する自転車の交通など、観光面で様々な問題があることに気づきました。
大久野島は、瀬戸内海国立公園に含まれ、自然を守り、親しむ場所として保護されています。うさぎはそんな島から見ると外来動物。島の自然にも大きな影響を与えています。でも、うさぎのおかげで観光客が訪れてくれます。地域を考える上では、とても複雑な存在となっています。
実際にフィールドワークで訪問したことにより、観光地としての大久野島の良い面だけでなく、将来への課題となっている事柄も学びとることができました。
<↑↑写真をクリックすると、調査の様子の動画が見られます!※音声注意>
フィールドワークで得た情報をもとに、グループで大久野島の「持続可能な観光」について考えました。それぞれの着眼点で現在の問題点を設定し、未来のための大久野島についてプレゼンテーションを行い、意見交換を行いました。
フィールドワークには、実施に訪れるからこそ、わかる事柄、生きた情報がたくさんあります。そして何よるも、訪れたからこそ、その地域に対して愛着や興味も高まります。今後も様々な場所に実際に訪れて「見る・感じる・考える」学びを展開していきたいです。
現場に行き、その地域の環境や風土に触れることで、色々な視点で物事を考えられるようになりましたね。大久野島での記念写真をクリックしてもらうと、この授業についてと後日報告する北広島町で行った実習についての動画が見られますので、ぜひご覧ください。