人文学部 国際英語学科 ニュース

社会系アーカイブ

本学では、「社会教育主事」資格取得希望者を主な対象者として、国立江田島青少年交流の家「野外活動指導者養成講座」プログラムに参加しています(2018年度からは生活デザイン学科地域デザインにて実施します)。

今年度は本学から10名の学生が参加しました。

この講座では、広島大学の学生らと一緒に、1泊2日の小学生キャンプを企画・立案し、実際に自分たちで運営することを目的としています。
11月25-26日、小学生キャンプを実施しましたので、その様子を報告します。

今回のキャンプは、「Wow!つながりの輪を広げちゃおう!~君は何を見つけられるかin江田島"愛"ランド~」というタイトルのもと、子どもたちにコミュニケーションの重要さ、楽しさを実感してもらおうという目的を設定しました。
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これも学生たちが子どもたちの抱える課題や環境を話し合い、生み出してきたコンセプトです。

初日はアイスブレク、ETAJIMA運動会、キャンプファイヤーを行いました。
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小学生は江田島市、呉市、広島市など様々な学校から集まっています。
そのため、最初は緊張している子もいましたが、アイスブレイクを通じてあっという間に仲良くなっていきました。

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運動会では、自然の素材を使った様々な競技が行われました。運動が得意な子も、そうでない子も、みんなで協力することで楽しめる競技ばかりでした。

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キャンプファイヤーでは、多くの人と関わり会えるようなゲームが盛り沢山。寒さにも負けず、みんな目一杯楽しんでいました。

2日目には、野外炊事を行いました。
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みんなで協力して調理を進め、おいしいカレーと餃子が出来上がりました。


大きな怪我やトラブルなく、全てのプログラムが終了しました。

今回のキャンプ実施までに、学生たちは講座の時間以外にも集まって打ち合わせをしたり、交流の家を訪れシュミレーションしたりと、準備に奔走してきました。
子どもたちが楽しんでくれたという成果はもちろん、春学期・秋学期の講座を通じて学生たち自身にも成長が見られました。

担当教員:伊藤千尋

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2017年度芸術文化フィールドワークでは、2週間かけて伊勢・熊野・高野山・明日香・奈良・京都をめぐります。
学生による研修レポートをお届けします。研修の最後の3日間は、宇治から奈良へと向かい、旅を締めくくります。

11日目 9月14日

まず、JR奈良線で黄檗駅に行き、萬福寺に向かいました。黄檗山萬福寺は、江戸時代初期に中国から日本にやって来た、インゲン豆の名前にもなっている隠元禅師のお寺です。昨日まで見てきた相国寺・妙心寺・大徳寺などの禅宗の本山とは違った雰囲気で、中国風の建物や仏像がありました。

9月14日 万福寺-r.jpg

次に、宇治に移動し、平等院鳳凰堂に行きました。十円玉と見比べてみたり、建物の周りを一周して、普段は見ることのない横や後ろからの平等院を見たりすることができました。とても迫力があり綺麗でした。鳳凰堂内部の拝観では扉の絵や雲中供養菩薩像などの様々な話を聞くことができ勉強になりました。平等院ミュージアム鳳翔館にも行きました。雲中供養菩薩像の本物がとても近くで見ることができ、また後ろの磨りガラスに浮かぶシルエットなども見ることが出来てよかったです。

奈良では、遺跡発掘現場の見学をさせて頂きました。場所は奈良県立美術館のすぐ北側で、かつて広大な敷地を誇っていた興福寺の北のはずれに近いところだそうです。奈良県立橿原考古学研究所の研究員の山田隆文先生と宇野隆志先生が説明してくださって、最近まで県の施設が建っていたのを、取り壊し、今回調査して、新しく文化施設にするとのことです。

9月14日 奈良県立美術館北隣 発掘現場-r.jpg

その場所は50年前に建物を建てるにあたって発掘した時に、おそらく興福寺に供給していたであろう瓦と、瓦を焼く釜が見つかったそうです。瓦釜は4基あるそうで、遺構の中に入って間近に見学させて頂き、土が何層にもなっており、その土の色・質感・物質から様々なことを知ることが出来ると教えていただきました。

9月14日 奈良県立美術館北 発掘現場見学-r.jpg

日本は特に考古学の調査方法では細かい精度で記録するらしく、図面などに国土座標に基づいて、ミリ単位で位置を記して、とても丁寧に情報が書き込まれていました。

このような遺跡は、その場所に建物を建てる時に耐震の問題などで深く掘るため完全に無くなってしまうこともあると知り、もったいないと感じました。文化財の保存と現代人の利便性はなかなか相容れないこと、文化財を守ることの意義についてお話を聞くことができました。地中の遺跡が発掘とその後の建造物の基礎工事で失われてしまっても、その土地の記憶を記録することが大切なのだとのお話でした。文化財を少しでも後世に伝えていけたら良いと思いました。

3年 木村菜々子

12日目 9月15日

今日は、東大寺東塔院跡の発掘現場を見学させていただくため東大寺に向かいました。途中、東大寺南大門を通り、左右に大きな運慶・快慶の作で有名な巨大な仁王像がいて、凄く迫力がありました。

手向山神社参道入り口付近にある発掘調査の現場を見せて頂き、東大寺の境内史跡整備計画室長の南部裕樹先生にお話を伺いました。

9月15日 奈良東大寺 東塔院跡 発掘現場見学-r.jpg

この発掘調査は国と県と東大寺の3者が協力して行っているそうで、国からは奈良文化財研究所の神野恵先生と芝康次郎先生、県からは橿原考古学研究所の廣岡孝信先生がそれぞれ陶磁器や瓦など専門性の違いを活かして調査されていました。中央部分の高まりがある所が塔の跡地で、そこに立って見渡すと凄く広さがあるのが分かりました。奈良時代に建てられた後、焼けて鎌倉時代に再建され、奈良時代と鎌倉時代でそれぞれ、礎石の跡を見て柱何本だったのかを知ることができ、そのほか、発見された様々な物を研究して塔の構造が分かってくるというお話は、考古学は奥深い物があると感じました。瓦が沢山埋まっている所も見ましたが、瓦だというのがいまでも分かるぐらいちゃんと残っているのに驚きました。また発掘調査には忍耐力、集中力、色々な力が必要であるということを学びました。

9月15日 東大寺東塔院跡発掘現場-r.jpg

その後、午前中いっぱい、東大寺を見て回りました。大仏は間近で見るととても大きく迫力が凄かったです。大仏殿内にある大仏の鼻の大きさの柱の穴はくぐれるか不安でしたが、無事に通れました。行列していて、すぐ前には体格のいい、スペインからの旅行客が並んでいましたが、通りきった時には日本人、外国人が一致団結して、喝采が起こり、とても面白かったです。

9月15日 東大寺-r.jpg

次にお参りした手向山八幡宮は東大寺八幡宮と呼ばれていましたが、近代に入り、現在の名前になったそうです。三月堂は正しくは法華堂というお堂で、鎌倉時代の建物と天平時代の建物が接合されている、変わった建物で外から見ると建築の違いが分かりやすかったです。お水取りで有名な二月堂からの眺めも、奈良盆地を見晴らすことができ、きれいでした。

正倉院の建物の一般公開に行き、戒壇堂の四天王像も見てきました。東大寺ミュージアムは展示数は凄く多い訳ではないですが、鎮壇具のなかには1250年も昔の物なのにそんなに経っていないと思うぐらい一つ一つ形がしっかり残っているものがありました。

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興福寺では阿修羅像の特別公開を見ました。日本美術史の授業で見た「びじゅチューン」の阿修羅像を思い出しました。

9月15日 興福寺東金堂 十二神将のポーズ-r.jpg

春日大社は鹿のお守りなど鹿に因んだものが沢山あって面白かったです。新薬師寺は盗まれて今も帰ってきていない仏像があったほか、十二神将像のポーズが、わたしたちが真似て集合写真を撮った興福寺東金堂のポーズと違っていて面白かったです。鏡神社は春日大社の神殿建て替えの時に移建された建物を間近に見ることができました。

最後になら仏像館は腕などが無い仏像や、足の一部だけ、手の一部だけを展示したところもあり、古いものが今まで残っていることに思いをはせると感慨深いものがありました。

3年 佐々井のぞみ

13日目 9月16日

今日は最終日にも関わらず、朝からあいにくの雨でした。
まず初めに海龍王寺に行きました。新大宮駅を降りて、雨の中、住宅街をしばらく歩くと、見落としそうなお寺の門がありました。この海龍王寺は、藤原不比等・光明皇后と深い関わりのある寺院です。かつての大伽藍の面影はありませんが、こじんまりとしてきれいなお寺でした。西金堂は奈良時代の建築で重要文化財に指定されていますが、そのなかには国宝の五重小塔が置かれています。

9月16日 奈良海龍王寺-r.jpg

次にすぐ隣の法華寺に行きました。ここも光明皇后ゆかりのお寺で、秘仏の本尊十一面観音菩薩像は皇后のお姿を写したものだと言われているそうです。今回は摸刻像でお参りしましたが、光背が蓮の葉やつぼみになっていて珍しいなと思いました。

そこから徒歩で平城宮跡を通りぬけました。朱雀門や、2010年の平城遷都1300年にあわせて復元された第1次大極殿を眺めながら、ぬかるんだ道を歩きました。

9月16日 平城宮跡 大極殿-r.jpg

昼食後、西ノ京に移動して、唐招提寺に着きました。日本に仏教を布教しに唐から来た鑑真和上のために建てられたお寺であり、律宗総本山です。

次に薬師寺に行きました。薬師寺は天武天皇が発願し、持統天皇に引き継がれ、藤原京に造営されたお寺ですが、平城遷都に伴い、平城京の南の現在地に移されたのだそうです。金堂の薬師三尊像と東院堂の聖観音菩薩像を見ました。国宝の東塔(三重塔)は現在修理中で覆い屋がかけられていて見ることができませんでした。

最後に、今回のフィールドワーク最後の見学先として、法隆寺に行きました。敷地も広く、とても見応えがありました。法隆寺は飛鳥時代の姿をいまに伝える世界最古の木造建築として広く知られています。西院伽藍では五重塔の初層にある維摩と文殊菩薩の対話や涅槃の場面を見て回り、金堂の仏像など見て回りました。そこから聖徳太子をお祀りした聖霊院をお参りし、大宝蔵院に行きました。展示室は新しくて立派で、どちらを見ても国宝だらけでした。百済観音像をお参りし、最後に夢殿に行きました。中宮寺はすでに拝観時間が終っていて見られませんでしたが、先生からここも法華寺と同じく尼門跡寺院なのだと説明を受け、奈良にも皇室ゆかりのお寺が多くあるのだと思いました。

9月16日 法隆寺夢殿-r.jpg

広島への帰路につきました。
これで今回のフィールドワークは終わりました。長いようで短い、そんな感じがしましたが、この経験が自分の糧になっていたらいいと思います。

2年 小山夏実

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⑥京都

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2017年度芸術文化フィールドワークでは、2週間かけて伊勢・熊野・高野山・明日香・奈良・京都をめぐります。

学生による研修レポートをお届けします。研修9・10日目は、京都をめぐります。

9日目 9月12日

まず歩いて六角堂へ行きました。少し前に見た映画「花戦」の舞台になっていた場所なので行かれて良かったです。森見登美彦さんの小説『有頂天家族』でも、ここの「へそ石」が登場します。それから三条通界隈を散策しました。郵便局や元時計店、元新聞社社屋など近代建築がいくつもあります。イノダコーヒーに行き、珍しい円卓カウンターでカフェオレをいただきました。11人が並んで座っても円の半分も占めていないようで、向かい側では近所の常連さんらしきひとが、新聞を読みながらコーヒーを飲んでいました。

次に寺町通りの商店街に入り矢田寺と天性寺に行きました。矢田寺は沢山の赤提灯があり、とても華やかでした。天性寺は山号が曼荼羅山で、裏の墓地には先生が学生時代から研究されていた原在中とその一族のお墓がありました。お墓を見ることで得られる情報がある一方で、墓石は劣化していき、最近は廃棄されてしまうこともあるので記録を取ることや、失われないように大切にする必要があるということがわかりました。少し歩くと本能寺があり、中には織田信長や浦上玉堂・春琴などのお墓がありました。わずか200メートルくらい商店街を歩いただけで3つのお寺があるのは、さすが寺町通りだなと思いました。御池通に出て、京都市役所のなかを見て、昼食は河道屋でおそばを食べました。

その後、京都御苑に行きました。京都御苑では京都御所の中に入り、孝明天皇や明治天皇が儀式の際に使った正殿や清涼殿、門を説明してもらいながら、近くで見ることができました。入口に鳥避け用の金網が付けられている大正天皇の即位の際に造られた新御車寄など天皇陛下が使いやすくなるような工夫が沢山あり、宮中が政治の中心ではなくなっても崇められていたということがよくわかりました。また、蛤御門の変が起こった蛤御門が意外と御所近い位置にあったのに驚きました。教科書で読むだけではわからない位置関係などがわかり、実際に見ることの大切さを実感しました。

9月12日 京都御苑 蛤御門-r.jpg


その後、相国寺へ行きました。相国寺は京都五山の1つなので、とても敷地が広かったです。鐘楼の作りがとてもインパクトがあり面白かったです。

9月12日 京都相国寺-r.jpg

そこから、バスに乗り、下鴨神社を目指しました。途中で京都府立文化芸術会館に行きました。毎年多くのグループ展や塾展が開かれるそうです。歩いていると沢山のギャラリーがあり、古くから今に至るまで京都は芸術の中心になっていると思いました。出町柳について、鴨川の飛び石を渡りました。昨晩の雨で川が増水して迫力がありましたが、誰も流されなくて良かったです。

下鴨神社では、まず入り口に近い、摂社の河合神社に行きました。自分の化粧品で願いを込めながら化粧をするという珍しい鏡絵馬があり面白かったです。下鴨神社と糺の森は、森見さんの『有頂天家族』や『夜は短し歩けよ乙女』に登場していたので、初めて来たのに前にも見たことがある気分になりました。

9月12日 京都 下鴨神社-r.jpg

そこから、やはり『有頂天家族』に登場する出町桝形商店街を抜けて、ホテルに戻りました。

9月12日 京都出町桝形商店街-r.jpg

今日は今までとは違い、1つ1つゆっくり観ることができて良かったです。残り4日間しっかり学んでいきたいです。

2年 小谷英絵

10日目 9月13日

今日は、午前は仁和寺をはじめとするお寺を中心に、対して午後は神社を中心に巡り、北野天満宮や今宮神社、千本釈迦堂、大徳寺などを参拝しました。

今日伺った処で特に印象に残ったのは、平等寺、仁和寺、妙心寺の三つのお寺です。先ず「因幡薬師」と呼ばれ親しまれている、平等寺はホテルからほど近く、徒歩で向かいました。このお寺はがん封じで有名なお寺で、全員で健康を祈り参拝をしました。また、「因幡堂」「鬼瓦」「仏師」「六地蔵」など複数の狂言で舞台として登場するそうなので、フィールドワーク終了後に調べてみたいと思います。

仁和寺は、兼好法師の『徒然草』のにも出てくる有名なお寺であり、世界遺産の古都京都の文化財に含まれているということを実感させられる、大きく荘厳なお寺でした。先日、高野山でお参りしてきた弘法大師の祀られているお堂もあり、これまでの旅での学習を振り返る機会にもなりました。

9月13日 仁和寺書院-r.jpg

妙心寺では、かの狩野探幽の龍を描いた天井画や、国宝の鐘についての説明を受けることができました。雲龍は位置によって見え方が違う、面白い手法が使われた絵で、見ていてとても圧巻でした。国宝の鐘は「妙心寺鐘」と呼ばれ、698年に造られたものであり、現在は老朽化により、損傷を防ぐために建物内で保存されているそうです。また、かつてはゆく年くる年で初めに中継される鐘だったこともある、まさに国宝と呼ぶに相応しい鐘であることが伺えました。鐘の音は録音で聴くことができました。

9月13日 妙心寺-r.jpg

等持院は改修中であったため、中まで入りませんでしたが、歴代将軍の木像あるところだそうで、是非、改修後に行ってみたいと思いました。立命館大学の中を抜けて、堂本印象美術館の前を通りました。ここも休館中でしたが、個性的な外観の建物で日本画家のイメージとずいぶんかけ離れていました。堂本印象は高野山の大塔の壁画を描いた画家で、今回の旅で見てきたものがいろいろなところでつながっているのを感じました。

フィールドワークの中でも、今日は美術的、文化的価値の強いものを多く見る日となったので、より芸術的な見解を深め、今後の学習に繋げていくことができる日になったのではないかと思います。

2年 丹羽菜月

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旅もいよいよ終盤です。

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⑦宇治・奈良

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