人文学部 日本文化学科 ニュース

留学生アーカイブ

 2023年5月19日(金)~21日(日)、広島でG7サミットが開催されました。日本文化学科からも、韓国からの留学生であるヨ ガウンさんがボランティアとして参加されましたので、今回はその活動報告を紹介させていただきます。

Q.ガウンさん、この度、G7サミットのボランティアとして活動されたそうですが、具体的にはどのようなことをされたのですか。

 私のG7サミットでのボランティア活動の内容は、韓国から来日された記者の方々のサポートをするというものです。
 人によって与えられた役割は違いましたが、今回、私は会場のホールの中心で案内や受付、電話対応、通訳などの役割を担当しました。

 そして、記者ブリーフィング(情報共有)のお手伝いもしました。記者ブリーフィングでは韓国大統領と他の国の首脳とが会談した内容を、大統領代理者が報告する機会が数回ありました。そこでの私の役割は会場スタッフと韓国関係者との意志疎通のための通訳と質疑応答時のマイク係でした。私が担当した役割以外にも、事務やサミット開催会場移動のお手伝い、ニュース撮影場所の提供などがありました。

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Q.何か興味深いエピソードはありましたか。

 記者ブリーフィングでは時々、エンバーゴ(一定期間内公表禁止)の内容を聞くことがありました。エンバーゴとは決められた期間内において記事にすることを禁止するものであるため、会場で話を聞いた私たちにも内容が一切秘密になることがありました。その時は、重要な話や、まだ記事にもしてはいけない情報を、私が聞いても大丈夫だろうかと思っていました。それぐらい、この仕事は責任が大きく、重要なものであると感じるきっかけにもなりました。

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Q.ガウンさんは、留学前から平和活動に熱心でいらっしゃいますが、G7サミットが広島で開催されたことについて、どのように感じていらっしゃいますか。

 広島は、平和を考える上で重要な場所であるので、今回開催されたG7サミットがより意味深いものになったと感じました。そして、G7サミットが広島で開催されたことは、世界中の人々が、平和への意識を高める機会にもなったと思います。広島の歴史に触れたり、被爆者に直接会うことで、核兵器の廃絶や平和の重要性についての議論が活発になされ、被爆者の声が世界に届くことで平和への取り組みが着実に一歩前進したと思っています。

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 ガウンさん、今日は貴重な体験をご報告くださり、本当にありがとうございました。現在3年生のガウンさんは、入学時、ちょうど新型コロナウイルスの影響で、長らく日本に入国できないなど、いろいろと苦労されましたが、今回の活躍を、私もとてもうれしく思っております。

 これからも、女学院大学のメンバーと共に、さまざまな平和活動に取り組んでくださることを期待しています。是非、広島から「平和」を発信し続けましょう!

(文責:足立直子)

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2022年11月13日(日)、広島工業大学広島校舎にて第31回「日本語による世界平和弁論大会」(ヒロシマ・ピース・センター主催)が開催され、広島県に在住する外国人留学生が「世界平和」をテーマとする5分程度のスピーチを行いました。

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本学からは人文学部日本文化学科のホァン・ティ・ハイ・グエンさんとチャン・ティ・トゥイ・リンさんの2名が出場し、それぞれ3位と4位に入賞しました。

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グエンさんは「私の世界を変えた笑顔」というタイトルのスピーチを行いました。

グエンさんは日本語を勉強するために広島に来たばかりのころ、友だちもできず、毎日部屋の中にとじこもって暗い日々を過ごしていたそうです。しかし、ある日、日本語学校に行く途中、反対側から歩いてきた見知らぬおばあさんに笑顔で「おはようございます!」と声をかけられグエンさんも「お、おはようございます」とあいさつを返しました。その日学校に行き、自分からクラスメートに笑顔で「おはよう」と声をかけてみたところ、クラスメートは「おはよう」というあいさつだけでなく、たくさんグエンさんに話しかけてくれ、そこからグエンさんの世界が変わっていったそうです。グエンさんは、自身のこのような体験を紹介した後、「みなさんも笑顔で世界を変えましょう!」と会場の人々に呼びかけました。

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リンさんは「広島から学ぶ世界平和」というタイトルのスピーチを行いました。

リンさんは、まず「平和とは何か」を定義しました。リンさんによれば平和とは私たちが調和のとれた生活をしており、競争や争いがない状態を指します。次に、広島への原爆投下、長崎への原爆投下がもたらした被害、ロシアによるウクライナ侵攻がもたらした被害を取り上げました。そして、世界の人々が経済的な協力だけでなく、文化交流も強化し、国家間の相互理解を深め、互いに親近感を持つようにすることが平和のために必要であることを伝えました。また、戦争のような喪失や分離の痛みに苦しむことなく、自由に自分の情熱を追求できることが幸せであり、すべての人の目標であると訴えました。

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二人ともやや緊張しながらも、まっすぐ前を見て、観客にしっかりと自分の想いを伝えました。本当によくがんばりました。この経験が大きな自信につながったと思います。他の出場者の発表も平和への想いを強く訴えるすばらしい発表でした。それぞれの国の背景や価値観を通して見たときの平和について考えることのできる貴重な時間でした。

文責:渡邊ゆかり

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日本文化学科には、現在12名の留学生が在籍しています。
普段、何かものを発したり行動をしたりする時に、同席しているのは同じ文化的背景を持つ人だけではないと、常に想像できることは、とても重要な力です。その意味で、日本文化学科はそれぞれがとてもいい影響を与えながら、日々を過ごしてくれていると思います。

【留学生在籍者数(2022年11月1日現在)】
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そのような留学生の活動を、今回はご紹介します。

ハロウィンフェスタ

この3年間、学生たちは新型コロナ感染症の影響で様々な活動が制限されてきました。
そのような中、「大学時代に楽しい思い出をたくさん作りたい!みんなに作ってほしい!」との思いから、学生たちが声をあげ、企画されたイベント「ハロウィンフェスタ」が10月28日(金)に開催されました。
このイベントに、本学科の留学生たちもそれぞれの民族衣装を着て参加しました。

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ベトナムからの留学生は、現代風のアオザイや、伝統的なアオザイを着ました。

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中国からの留学生は、衣装だけでなく、伝統的なメイクや髪型も披露してくれました。

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お昼休みには、学生、教職員約200人による仮装パレードもあり、留学生たちも一緒に楽しみました。
この日は、キャンパス中に、学生たちの楽しそうな笑顔が溢れた、とても思い出に残る一日となりました。

おにぎりアクション in 女学院

おにぎりアクションは10月16日の「世界食料デー」を記念し、毎年、認定NPO法人TABLE FOR TWO Internationalの主催で10月6日〜11月6日に行っている取り組みです。おにぎりの写真をサイトに投稿すると、1回の投稿につき、アジア・アフリカの子どもたちに給食5食分を届けてもらえます。広島女学院大学でも、2016年から宗教センターの呼びかけのもと、「おにぎりアクション in 女学院」というイベントを開催し、多くの学生たちが参加しています。

今回、本学科の留学生たちもおにぎりアクションに参加すべく、各自、自宅で炊いてきたごはんを持ちより、おにぎりを作りました。
日本では、おにぎりは地方によって形が異なることを聞いて、関東の三角形のおにぎりを作ったり、東北の太鼓型を作ったり、関西の俵型を作ったりしました。

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また中国からの留学生は、白米だけでなく、お味噌とネギなどを使って作られた料理をごはんにあわせて持ってきて、三角おにぎりを作っていました。とっても、おいしそうですね。

みんな、日本に来て初めておにぎりを作ったそうですが、とても上手においしそうなおにぎりができました。

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完成後は、それぞれおにぎりアクションのサイトに写真を投稿して「これで子どもたちに25食分の給食をプレゼントできました」と喜び、最後に黙食でいただきました。

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留学生たちは、このイベントを通して日本文化や社会貢献について学ぶことができたようです。

今後は学内の「アジアクラブ」の活動を通して、いろいろな挑戦をしていきたいとのことです。彼女たちが、広島女学院大学でのさまざまな体験を糧として、将来、世界と日本との架け橋として活躍してくださることを期待しています。

(文責:足立直子)

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