8月23日(日)開催の第4回オープンキャンパスでの模擬授業は、足立直子学科長による「大学で読む児童文学-芥川龍之介『魔術』を中心に-」でした。
タイトルにあるように、「大学で読む児童文学」は、高校までとどう違ってくるのかが、クイズ形式の和やかな展開の中で分かりやすく語られました。
受講生全員が声を出すことなく参加できるよう、写真のような手作りの回答札も用意され、コロナ対策を講じながらの参加型授業が和やかに進んでいきました。
授業は、作品成立の背景、作者の人生をたどる中で、現代の感覚で作品の言葉にふれるだけではたどり着けない底深い読みを目指すものでした。また、授業者の言葉の端々から、芥川龍之介や近代文学研究への熱い思いが感じられました。
授業の結びでは、実利には直接は結びつかないが、人間がよりよく生きるための軸となる文学の価値が語られました。そして、「こんな時代だからこそ、大学で一緒に文学を学んでみませんか」というメッセージが届けられました。
また、回答札がしおりに早変わりするという「おまけ」まであり、しおりには、芥川の肖像とともに「人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ」という「侏儒の言葉」の中の一節が記されていました。
本が好き! 本に関われる仕事がしたい! 日本文化学科を目指されているみなさんの中にはそんな思いを抱いている方がが少なくないと思います。そんなみなさんの進路を拓く一つの道が司書課程での資格取得です。
第3回オープンキャンパス学科イベントでは、学科紹介、入試説明に続き、名城邦孝准教授が、「図書館司書ってなんだろう?~司書の資格と仕事を紹介~」と題して詳しくお話ししました。
お話では、まず図書館の定義と基本的な機能、図書館サービスの全体像が示されました。どのお仕事でもそうですが、外からは見えにくい大切な仕事があります。図書館の場合は、資料の選択・収集、組織(整理)、蓄積(保存)等がこれにあたります。「必要な資料選びが醍醐味」という言葉が印象に残った方も多いのではないでしょうか。
また、図書館職員になる方法についても具体的に示されました。図書館職員を直接目指す方法だけでなく、地方公務員の採用試験を受けて司書を目指す、指定管理者や業務委託した団体に雇用されて図書館で働く、派遣会社の派遣職員として図書館で勤務する等の方法がそれぞれのメリット、デメリットとともに提示されました。
夢を実現するための方法と課題について、考えていただくよい機会になったのではと思っています。
7月19日(日)開催の第2回オープンキャンパス、日本文化学科の模擬授業は柚木靖史教授による「日本語の魅力」でした。
パワーポイントを使った授業は、方言フィールドワークの写真から始まりました。フィールドワークで訪れた土地の年配のご婦人と、ご婦人を取り囲む学生たちの、はじけるような笑顔が、まず印象に残りました。
日本語の音韻・音声・調音、文字、熟字訓、語句・語彙、歌語や枕詞、季語と、盛りだくさんの授業は、クイズ形式で、テンポよく進んでいきます。声のやりとりをさけるため、大きなジェスチャーでつくられるマル、 教室は和やかな空気に包まれました。
「日本語の魅力、伝えたいことがいっぱいあるんですけど......」、「いろんなことを伝えたいんだけど......」、「方言はやりたかったけど......」、しばしば話の合閒にはさまれるこのような言葉から、研究への思い、授業への思いが伝わってくるようでした。
「言葉の裏にある文化を学んでほしい」、このフレーズも何度か繰り返されました。
日本語の魅力とともに、研究することへの思いとその楽しさ、学ぶことの価値が伝えられた30分間でした。
午後の部の授業では、短いお昼休みの間にスライドの順序が入れ替えられていて、方言についてのお話が冒頭でなされました。 午前中の部での「方言はやりたかった」という柚木教授の言葉が思い出されました。
夏休みも短縮され、たいへんお忙しい中お越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。
柚木教授の方言をはじめとする日本語学の授業は、オープンセミナー「ディスカバー・広島!」の中でも行われます。広島の言葉と文化にまつわる楽しいお話を、ぜひ多くの高校生のみなさんにお聞きいただきたいと願っています。
また、次回オープンキャンパス(8/2)では、学科紹介、入試説明に続き、「図書館司書って何だろう?」と題し、名城邦孝准教授より図書館司書の資格とそのお仕事についてご紹介します。
みなさまのご来場をお待ちしております。