10月21日(木)に行われた木曜チャペルで、日本文化学科3年生が「神楽の笛の音-伝統文化を受け継ぐ-」と題し、2名が笛の演奏を、2名が発表を行いました。
坂本奈水さんは、広島市内の神楽団に所属し、囃子手として活動しています。
物心がつく前から神楽に触れ、舞手に憧れを持っていましたが、未だ残る女人禁制の文化により、舞手になることは叶いませんでした。
この度の礼拝でも、素敵な笛の音を響かせてくれましたが、担い手となるはずの男子の神楽団所属が減ってきており、未来につなげていくことが難しいのではないか、と考えるようになったといいます。
坂本さんの紹介をしてくれた川口菜月さんも、坂本さんの話を聞き、しきたりにとらわれず、今の社会に合わせ、同じ志をもった男女が隔たりなく伝統芸能を守っていくことができる社会にしていきたい、と話してくれました。
〈左:坂本奈水さん、右:川口菜月さん〉
松本初花さんは、県内の神楽団に所属し、神楽を彩る奏楽のうち、メロディーを担う笛を担当しています。
地域での活動以外にも、競演大会や各地での奉納、外国人観光客向けの演奏など、様々な行事に参加しているそうです。
神楽で学んだことは、自分を表現することや、周りを見て行動することの大切さ、神楽を伝承していくことの難しさだといいます。
伝承のひとつとして、神楽を身近に感じてもらうためのツアーを開催したり、子どもたちが神楽と直接触れ合い、体験できる場を増やしたりしていきたいと考えているそうです。
松本さんが奏でる笛の音色は、坂本さんの演奏と同様に、美しくチャペルに響き渡りました。
松本さんの紹介をしてくれた野口春香さんは、継承したいという気持ちが若者や海外の方に伝わるのは、松本さんたちのような方々の働きがあってのことだと語ります。
〈左:松本初花さん、右:野口春香さん〉
伝統文化が薄れてくる中、若い世代が未来に繋げていこうとする姿に、励まされると同時に、改めて「自分たちにできることは何か」を考えるきっかけとなりました。