国語科教育法Ⅳでは、受講生がデジタル教科書を使って模擬授業を行い、「デジタル教材の効果的な活用」をテーマに授業研究を行っています。
はじめてデジタル教科書にふれた受講生の一人は、次のように述べています。
生徒と同じペースで教科書に線を引いたり、挿絵を拡大して説明したりするには、とても便利だと感じました。また、本文の読み上げ機能等を活用すると、デジタル教科書一つで何通りもの授業計画を練り上げることができます。うまく工夫すれば、生徒の集中力が50分間持続する面白い授業もつくれると思います。
他にも、写真や動画を利用することで、古文・漢文の授業を楽しくできること、デジタル教科書の機能を活用して授業を進めることで進行がスムーズになること、インターネットやプレゼンテーションソフトとの併用でダイナミックな授業がつくれること等、多くのメリットがあげられました。
同時に、「スムーズな進行が逆に授業についていけない生徒をつくってしまうのではないか」、「板書と異なり、きちんと書き取ることが減るのではないか」、「楽しいけれど、生徒が何を学んだかわからない授業に陥る心配がある」等の危惧も出されました。また、教師がデジタル機器に不慣れだと、思わぬトラブルが起こることもあり、十分な準備と機器操作への慣れが必要という指摘もありました。
「何のために使うのかをしっかり考えて、用いることが大切」、「利便性を重視するあまり、きっちりとした授業をすることを疎かにしてはいけない」、「生徒の立場に立って、見やすさやわかりやすさを検討してから授業をする必要がある」、「日常的にデジタルになれ親しんでいるより若い世代には、それほどの新鮮さやインパクトはないのではないか」、こんな声も上がっています。
学校現場へのデジタル教材の導入は、急速に進みつつあります。教育実習の場で使う機会もあるかもしれません。授業のねらいや学習者のニーズをふまえ、効果的に活用したいものです。